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【SS】サヤちゃんがバレンタインチョコを渡すようです【だがしかし】

※SSは下の方にあります。

 

***

 

ごきげんよう。

鉄血にして熱血にして充血のmです。

……飲み過ぎました、はい……(ぉぃ

珍しいことなのですが、昨日の記憶が……(爆

そんな状態でスマホを見たら、昨日の写真がどっさりとスマホに収まっておりましたw

 

今回はバレンタインデーが日曜日ということで金曜日がバレンタインみたいなかんじでしたねw

そんなわけで恒例の交換会みたいな感じだったのですが、

f:id:m_training:20160213225144j:plain

チョコをいただきました!

まさかのGODIVA!!

あ、あ、ありがとうございますっ><

mといえば。

https://www.glico.com/assets/images/large/__180.jpg公式ページより

 

これです(爆)

 

そして会社が終わった後はみんなでパーティーですっ!

食べたのはこちらっ!

f:id:m_training:20160213225949j:plain

にくっ!!

f:id:m_training:20160213230035j:plain

にくっ!!

お肉づくしでございましたw

あと、みんなで調子に乗ってワインのボトル→赤、白、赤、白までは記憶にあります。

はい。

そこからよくわからないです。はい(ぅぉぃ

 

では、今日はSSいってみましょうかw

 

【SS】サヤちゃんがバレンタインチョコを渡すようです【だがしかし】

 

――2月14日。日曜日。

朝方の誰もいない喫茶『エンドウ』。

仕込みの後にアタシ、サヤと兄貴の豆で向い合って座っていた。

「――サヤ、本当にやるんだな…?」

「――やるよ。今日こそ……やってやる」

「そうか……ブツは用意したのか?」

アタシは無言で手に持っていたソレをテーブルの真中に出した。

可愛くデコレーションされたソレ。

昨日の夜、何度も何度も失敗して作ったチョコレートだった。

「おっ、ハート型かよ! おま、がんばったな!」

「そっ…それだけ今回は本気だってこと」

そう。今回のアタシは一味違うのだ。

いつもは学校だったから渡せなかったり、渡せても「んっ! んっ!」ってチロルチョコを渡すのが限界だったけどさ…。

今日は!

今日こそはっ!

コッ、コッ、ココナツに、ア、ア、アア、アタシの気持ちを伝えてやるんだからっ!!

「おまえの本気、見せてもらったぜ。――今日の作戦説明に移るぞ」

「う、うん」

意識もしてないけど、ゴクリと喉がなってしまう。

「――今日は日曜日だ。ココナツのヤツはいつもの休みのパターン通り誰も客がいない時間帯、15時にウチにくる」

豆が似合わないサングラスをカチャリと直した。

「その前におまえはおめかしタイムな。可愛くめかし込んでこい。どうせこの雪じゃココナツ以外の客なんて来やしないさ。フロアに誰もいなくたって問題ねぇよ」

それ喫茶店としてどうなの、とも思っちゃうけど今はどーでもいい。

大事なのはココナツの気持ちを掴むことだからね。

「そして15時。ココナツが来た時にすぐさまチョコを渡すんだ。おまえのことだ、ココナツの顔を見て別のことを話したら絶対に渡せなくなんぜ」

「そ、そうだね」

くっ……悔しいけど兄貴の言うとおりだ。

何度かそれで渡すタイミングをなくして自分で自分のチョコを食べた時があったっけ……。

「渡すときはそうだなぁ……『あなたが好きです』って直球どうよ?」

「え!?へ!? むっ、むーり無理無理無理無理っ!!」

あ~~~想像しただけで顔熱っ! 無理っ! マジそれ無理っ!

「だよな、さすがにハードルが高ぇ。なら――『アタシの気持ちだ受け取れ!』とかでどうよ? ハート型だしな。伝わりやすいだろ」

「そ、それなら何とか」

「んじゃ、オレが『たまたま』フロアに下りてきて『ずっと悩んでたんだぜ、おまえに気持ちを打ち明けるの。お前のこと、好きなんだとよ』とクールに援護射撃してやんよ」

「う……なんか微妙だけど……」

とはいえ、正直自分で、す、す、好きって言える気がしない……。

えぇい、もうヤケクソだ!

「そ、それでおねがい!」

「了解だっ!」

ビシッと親指を立てる兄貴。

――今日、アタシの運命が決まるっ……!

 

***

 

――14時…50分。

――どっきどっきどっきどっきどっきどっき!!

 

ああああと10分くらいでココナツくるっ!

あああと10分くらいっ!!

 

――うろうろ、うろうろ。

――どっきどっきどっきどっきどっきどっき!!

――うろうろ、うろうろ。

 

「……おいサヤ、もう少し落ち着けって」

「おおおおおおちちちちつつつついてるからっっっ!!」

「……あー……座ったらどうよ?」

「すすすすすわる? あ、あ、そ、そうだね。えとえとえと、よいしょっと」

「床に体育座りすんなよ……。お。ココナツからLINEだ」

「ええええええええっ!? な、な、ななななななななんだって?」

「そろそろ来るってよ。いつも通りだな」

「そそそそそそそそそう!! どどどどどどうしようっ!!」

「どうしようも何も、来たら渡す、だ。作戦通り、オレ、バック下がってるから」

あ、兄貴がバックに下がっていった……。

………………。

…………。

……。

 

――ドキドキドキドキドキドキドキ!!

あぁぁぁぁっ、くっ、口から心臓が飛び出して来ちゃいそうっ!

 

――ドキドキドキドキドドドドドドドドドドドド!!

も、もう、く、来るなら早く来てぇぇぇっ!!

 

 

ドアが。

――チリンチリン

開いた。

 

 

きたっ!? きききききききたぁぁっっ!!

ああああああもうっっっっ!!

女は度胸ッ!!

なるようになれぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーっっ!!!

 

アタシは手に持っていた、アタシの好きの気持ちがたっぷりつまったチョコを、

思いっきり差し出した!!

 

「ここここここここれねっ! あのっ! あのねッ! アッ、アッアタシのっ、きき、き、気持ちだからっ!! あんたのことがっ、ずっと前からっっっ!!」

 

「さ、サヤ師……?」

「ずっとずっと前からッッ……………………へ……………………?」

顔を上げると。

「え、わ、私……?」

「え…………ほ、ほたるちゃん……?」

ポカン、という形容詞がこれ以上にないくらいに似合っているほたるちゃんが立っていた。

ほたるちゃんがなんでここに?

ぽかんと突っ立てるほたるちゃんと、真っ赤な顔でほたるちゃんにハート型のチョコを突き出しているアタシ。

あたかも女の子が女の子に告ってる感じじゃん。

 

じゃなくてぇえぇえぇえぇえぇえぇーーーーー!!!!

えええええええええええええぇぇぇぇぇーーーー!?!?

 

「さ、さっ、サヤ師……!?」

「あああぁぁぁあぁ、ほ、ほた、ほた…!?」

 

絶賛テンパってる時にひょっこり兄貴が顔を出した。

そして。

クールにつぶやいた。

 

「――サヤのやつ、ずっと悩んでたんだぜ、おまえに気持ちを打ち明けるの。お前のこと……好きなんだとよ」

 

うん。計画通り。

……。

ってねぇぇぇぇ!!

援護射撃じゃないよソレっ!!!

フレンドリーファイアだからっっっっ!!!

アタシが女の子が好きな性癖を思い切って打ち明けたみたいになってんじゃん!!

「あ、いっけねっ☆」じゃないだろ兄貴ぃぃぃ!!

 

「さ、サヤ師……」

「ほっ、ほたるちゃん、ち、違うのっ! こ、これには深いわけが……」

あれ、なんかほたるちゃんの顔、赤いような……。

「サヤ師っ!」

 

――がばーっ!!

いきなりハグされたっ!?

 

「今までさぞかしつらかったでしょうねっ!!」

「はぁっ!? ほたっ、むぐっ、く、くるしい……」

「きっと常識と自分の想いの狭間でさぞかし揺れていたのね!」

なんかよくわからないけど、ほたるちゃんの頭の中でドラマティックなことが展開しちゃってる!!

「ほたるちゃん、こ、これはねっ」

「ええ、わかったわ! け、けど、わ、私も女性を受け入れるまでには時間が必要よ。まずは友達……いえ、もう友達ね! 友達以上恋人未満からはじめましょうっ!!」

「えええええっ!? いやっ、アタ――」

ほたるちゃんの腕がアタシの腰に回され、もう片方の手の人差し指でアタシの唇を押さえた。

宝塚の男役が女役にキスをするときのようなポーズになってるし!

なんで!?

どうしてこうなった!?

「これ以上言葉を紡がなくてもいいの。落ち着きなさい、サヤ師……。私はもう逃げないわ。落ち着いて……ほら……」

ほたるちゃんの指が。

アタシの唇をなぞってる……。

「ごめんなさい、貴女のその想いに気づかず……」

なんて優しい手つき……。

「これからは……」

優しげな瞳。

魅惑的で蠱惑的な瞳。

「ずっと一緒にいましょうか……」

ほたるちゃんの整った綺麗な顔が近づいてくる……。

なんかアタシ、アタシ、もう……。

 

――カランカラン。

「う~さむいっ! 雪が降ってきたよサヤちゃんんんんなななななんぁぁぁぁぁっ!?!?」

 

ドアを開けたココナツが固まっていた。

劇画調で。

「あら、ココノツ君」

「あばばばばばばばばばばばばばばば」

「――…………ハッ!?」

い、今アタシ何しようとしてた!?

えっ!? ほたるちゃんと!?

一瞬あたま真っ白になってたしっ!!

じゃなくて!!

「コ、ココナツ!! これはそのあの、なんと説明したらいいのかさっ!!」

「あばばばばばばばばばばばばばばば」

「えええっと、ほら、あれ! バレンタインのチョコを渡そうとしたらほたるちゃんがさ!」

「あばばばばばばばばばばばばばばば」

「どうやらココノツ君には今のシーンは刺激的すぎたようね。初代ファミコンのごとくバグってるから何を言っても無駄よ」

 

 

この後、アタシは誤解を解くのに1時間、バグったココナツを治すのに1時間を費やしたのだった……。

結局手作りチョコはほたるちゃんで、ココナツにはいつも通りのチロルチョコだった。

アタシの気持ちを伝えるの、またしばらく後になりそう……。

ハァ……。

 

後日談。

「サヤ師、キスしましょう! 若干濃厚なやつでいいわ!」

「若干濃厚って何!? ってか、しないからねっ!?」

……あの日からほたるちゃんからのスキンシップは増えたのは気のせいか……?

 

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